働くことのあれこれを綴るブログ

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未払い残業代の遡及支払いが2年から5年に延長になると企業の負担は2.5倍増

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残業代などの未払いがあった場合、社員が会社に請求できるのは、

今まで「過去2年分」までと労働基準法で定められていましたが、

 

厚生労働省有識者検討会が6月13日、

期間の延長を促す見解をまとめたそうです。


これにより2020年4月施行の改正民法で、

さかのぼってお金を請求できる期間を「原則5年」にすることを夏以降に

議論するそうです。


 そもそも、1896年制定の民法は、さかのぼってお金を請求できる期間を

原則「10年」とし、賃金の請求に限っては「1年」としていました。


しかし、それでは働き手に不利だということで、1947年制定の労働基準法

未払い賃金を請求できる権利が消滅する時効を「2年」とする特例が

つくられたのです。


 これに基づき、未払い残業代といえば2年分を上限に支払っていたのです。


 しかし、改正民法でお金を請求できる期間が原則5年とされ、

このままでは労働基準法の特例期間が民法の規定よりも短くなってしまうため、

厚生労働省の検討会で議論していたのです。


検討会では「労働者を守るための労働基準法の規定が、民法の規定を

下回ることは認められない」


といった意見が大勢を占め、見解では

 

「2年のままとする合理性は乏しく、労働者の権利を拡充する方向で見直しが必要」

と結論づけたようです。


これは当然といえば当然ですね。


民法を下回っているのでは労働者を守る趣旨から外れてしまいます。


今後これが決まれば企業が支払わなければならない残業代が

今までの2.5倍になってしまうのです。


これはかなりな痛手です。


体力のない企業では傾きかねません。


こうならないためにも未払い残業代がある企業は

早めに支払った方がいいと思われます。


あとは、雇用契約書や就業規則を見直しておく事も必要だと思われます。


特に固定残業制をしている企業などは、一定の要件を満たさないと違法とみなされてしまうケースもあります。


今が見直しのいいチャンスだと思われます。