働くことのあれこれを綴るブログ

働き方改革やら労働問題に関わるコトなどについて書き綴ります

就職氷河期世代の就職支援はうまくいくのかという話

当ブログで以前記事にしました、

就職氷河期世代の就職支援ですが、

ようやく開始となりました。

 

具体的には非正規社員や長期無業者、

ひきこもりを含む100万人規模の人たちを

3年間かけて支援し、30万人の正社員化を

目指すというものです。

 

具体的な支援の対象は

①正社員になりたいのに不本意ながら

正規雇用で働く人(約50万人、35~44歳)、

 

②就職希望はあるが「希望する仕事がありそう

にない」という理由で就職活動をしていない

長期無業者

 

③ひきこもりなど、社会参加に向けた丁寧な

支援を必要とする人

 

この3つのようです。

 

 この対象者に対して

ハローワークに専門窓口を設置し、

職業訓練や求人開拓のチームを設けたり、

正社員雇用に役立つための資格取得の

プログラム、社会人インターンシップ

実施と助成金による採用支援など、

幅広いメニューが用意されているのです。

 

そして、この支援の柱になるのは成功報酬型の

民間委託になるのです。

 

こうした支援に必要なお金は3年間で数百億円

規模を想定していて、その財源は働いている人

や事業主が支払う雇用保険からの支出になる模

様です。


しかし、政府がこの時期になぜ就職氷河期世代

の支援に乗り出したのか。

 

今までも散々この世代については問題になって

いたのにです。

 

ここが疑問なところなのです。

 

建前の基本方針では

内需の喚起に資する所得の向上を図り、

成長と分配の好循環を継続・拡大させるため、

経済成長率の引き上げや生産性の底上げを図り

つつ、就職氷河期世代の人々への支援を行うと

ともに最低賃金の上昇を実現する」

 

ともっともらしい文言を並べていますが、

 

いわゆるアベノミクスによる経済活性化の

一つの担い手として、氷河期世代

当てにしているようでもあります。

 

その理由として、今回の政策の対策の柱で

都道府県ごとで構成するプラットフォームを

つくることにしているのですが、

その構成メンバーに

 

都道府県、市町村、経済団体などと並んで

「人手不足業界団体」が登場するのです。

 
経済団体以外にこの「人手不足業界団体」が

入っているとかろに本心があるのではという

意見も聞かれるのです。

 

この政策には「(人手不足)業界団体等と

連携し、短期間で取得でき、安定就労に

有効な短期で取得できる資格等の習得を支援」

し、

 

「建設」「運輸」「農業」などの業界団体を

通じて正社員に転換するスキームが

描かれているのです。

 

このやり方は助成金支給による正社員化支援策

と同じです。

 

つまり政府は助成金を使って氷河期世代

人手不足業種に誘導し、業界の人材不足を

補おうとしているようにも見えるのです。

 

しかも助成金の原資は働く人たちが拠出する

雇用保険料です。

 

税金ではないので政府の懐は痛まないし、

人手不足業界も助成金をもらったうえに

人材不足解消にもつながるのです。

 

しかし、はたしてみんなが行きたくない

人手不足な職場に氷河期世代が定着

するのでしょうか。

 

かなり難しいのではないかと

言わざるをえません。

 

 

 

今回の氷河期世代支援対策では、

半年間勤務していれば最大40万円の助成金

支給されますが、悪質な業者の中には

助成金をもらって酷使し、ポイ捨てする

企業が出ないとも限りません。

 

この就職氷河期世代支援プログラムは

果たしてうまくいくのでしょうか。